自分に投資する

読んだ本のこと

 

 

 

 

投資家の「思考」と「習慣」を学び、投資家みたいに生きるための本です。

「みたいに」というところがこの本のミソで、サラリーマンなど組織に所属して働く人を想定読者にして書かれています。つまり投資家という職業を目指すのではなく、投資家的な思考と習慣を身につけることでお金の不安にとりつかれずに生きることを目指しています。

 

 

もう十数年前のことですが、当時に頻繁に顔を合わせていた目上の方から言われた事です。

 

「自分に投資できない奴は、一生成長しない」

 

その方は建築デザインの会社を経営されている人で、年収も数千万円と当時極貧生活の真っ只中にいた私には眩しくて直視できないぐらい活躍されている人でしたが、とても気の良い人で何度か仕事の中で顔を合わせているうちに、ちょっとした雑談をすることもありました。

そんな何気ない会話の中での一言だったのですが、不思議と私の頭の中にずっと残っていて、本を買うときも、未だにこの言葉が頭をよぎります。

きっともう一生離れることはないと思います。それほどにインパクトがあり、よくわかっていないけれども真実味のある言葉だから、これほどに頭にこびりついたのだと思います。

 

 

今回は、投資の考え方と自分への投資ということについて、探ってみましょう。

 

投資と浪費

そもそも、投資とはなんでしょう。

投資というと、株式投資やFX、不動産投資など金銭的価値のある資産を増やすことや、お金でお金を稼ぐというイメージが持たれやすいですが、投資は何もお金に限った話ではありません。

今の世の中は技術が発達して、とても便利です。でもそれらの技術は、ある日突然に自然から生まれたものではなく、誰かが研究するための会社にお金を投資し、会社は研究のために設備投資をし、誰かが研究のための時間と労力をかけた末に生まれたもののはずです。

過去において誰かが、お金だけでなく時間や労力、情熱などの様々なエネルギーを投入した結果、今の世の中が存在しています。

つまり、

投資とは、エネルギーを注入して未来においてリターンを得る行為

と言うことができます。

逆に言えば、「未来は、私たちが今、エネルギーを注入していかないと切り開くことはできない」ということです。

 

投資の反対にある浪費

浪費とはなんでしょう。必要ないものを買って無駄遣いするのも浪費ですが、浪費もお金に限った話ではありません。

例えば、だらだらとなんとなく時間を過ごす、指示された仕事に対して無思想で惰性的にこなすような仕事の進め方も浪費と言えます。

つまり、

主体性のない行動とそれに伴って消費するもの

が浪費だと言えます。これは、投資とは対極の位置付けです。

浪費にはリターンが生まれないため、それを理解して気をつけておくだけで、無意識的な浪費を回避することができます。

一つ重要なことは、「浪費=悪」ではない、ということ。

投資の考え方が大事だと言っても、1日24時間、365日ずっとずっとエネルギーを投入することばかり考えることはできません。時にはぼーっと何も考えない時間も必要だし、それが新しいひらめきを呼ぶきっかけになることもあります。

気をつける必要があるのは、無意識的な浪費です。

自分の行動について「これは浪費なのか、それとも投資か」と自問することで、無意識的な浪費は回避できるようになります。

 

自分への投資とは

次は、自分への投資とは何か、を考えてみましょう。

資格を取るために学校へ行く、勉強のためにセミナーに行く、これらも自分への投資ですが、先に述べた通りでお金をかけて何かをすることだけが投資ではありません。

例えば、本を読むこと、そのための時間を取ることも大切な自己投資ですし、したいことをしたり、元気に働いたりするための健康を維持するために、毎日歩くことやトレーニングすることも、自己投資と言えます。

 

自分を成長させてくれると思える体験や知識、学びを得るために主体的に投入するエネルギー(お金、時間、情熱など)は全て、自分への投資です。

 

たとえすぐに結果に結びつかなかったとしても、先々で自分の役に立つものと思えることが大事ですし、それこそが、長期的視野で物事を判断する投資家の考え方と言えます。

 

冒頭の「自分への投資ができない人」というのは、自分の成長のために主体的に考えたり動いたりすることができない人のことを指しています。

そういう考え方に沿って生きてしまうと学ぶチャンスを自ら失うようなもので、もう成長することができないというのは理解できます。

 

未来を切り開くために

 

「未来は今日始まる。明日始まるのではない。」 ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世

自分への投資とは、自分の未来をもっと良くするための活動です。考え方や習慣を少し変えるだけで、きっと将来は今よりもっと輝くはずです。

日々の生活の中におけるエネルギーの使い方として、もしも自分自身で無意識に浪費してしまっているなと感じるところがあれば、ぜひ投資の考え方でもって使い方を今日から変えてみませんか。

未来は、今の行動から作られています。某予備校の言葉ではありませんが「今、この時」の行動がまさに未来を生んでいるのであり、今から何をするのか、がとても大切です。そしてその小さな行動の変化は、きっと将来、良い形で返ってきます。

 

以上です。

今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。