売上を、減らそう。

読んだ本のこと

本の要約(一言アウトプット)

佰食屋という、働き方を極限まで絞ることで売上を上げているお店を通じて、自分の望む人生に照らし合わせた働き方を決めるという働き方、考え方についての本です。

 

質問1 売上を追求しなくても利益が出せるのはなぜですか

佰食屋が実践しているのは、「売上を追求していない」のではなくて、「会社が存続していくために必要なだけの利益を上げる、そのための売上だけを追求する」、という経営のスタイル。

1日100食限定、と決めることで、余計な食材の仕入れをしなくてもよく、その結果としてロスやムラ、ムダの圧倒的な排除が可能になっている。また、圧倒的な商品力による口コミ、独自の経営スタイルによるメディアへの露出からの相乗的な効果で広告を打つ必要がなく、普通なら飲食店としては条件が良くない様な安価な物件で店舗を構えることが可能となり、家賃を低く抑えることができるなど、経費を徹底して抑えることができる。

かつ、「事業成長ありき」ではなく「社員一人一人の成長に伴う自然な売上増」を行ってきたことも大きな特徴としてあげられる。

 

質問2 「100食限定」という制約によるメリットとは?

次の様なメリットを享受することができている

  • 労働を時間ではなく売る量で区切ることができる

→時間内に売り切ることに集中でき、その結果として残業せずに早く帰ることにつながる

 

  • フードロスがほぼゼロ

→利益を安定させることができる

 

  • 売上を増やすことを考えなくても良い

→もっとお客様に喜んでもらえること、自分たちがもっと働きやすくすることに社員が集中することができ、その結果としてさらに顧客満足、従業員満足度を上げるという良いスパイラルを生み出すことができる

 

質問3 佰食屋が実践しているのは、どの様な働き方ですか

「どのぐらいの時間、どの様に働きたいのか」を社員一人一人にフォーカスし、それぞれにあわせた働き方を実現している。

9時から17時の決められた時間枠の中で、しっかり働いて最大限の成果を上げる、そして、一日の残った時間を自分の好きなこと、したいことに使うことができる、という働き方。

 

本から得た気付き

藤原和博さんの本でしばしば出てくる「成長社会」と「成熟社会」という概念があり、それは次の様に表現されています。

「1997年をピークに20世紀型の成長社会は終わりを迎え、そこから先は、それまでとは全く違う21世紀型の成熟社会に移行したということである」

「こうした変化に歩調を合わせる様に、社会も変質していく。一言で言えば、20世紀型の成長社会が象徴する”みんな一緒”という時代から、21世紀型の成熟社会が象徴する”それぞれ一人一人”という時代に変わったのである」

佰食屋が実践していることは、ここでいう成熟社会の”それぞれ一人一人”の幸福感に応えることのできる働き方を体現しており、まさに今後求められる働き方を象徴している様に思います。

加えて、本で紹介されている1/2佰食屋は、ビジネススタイルのフランチャイズではなく、ライフスタイルのフランチャイズとなっていて、それを理解した時に大きな衝撃を受けました。このライフスタイルは、これからの時代に寄り添ったとても優しいものと感じます。この働き方は、きっと社会から受け入れられ、必要とされるはずです。

 

実践すること

人によって仕事のあり方が違う、ということを社会が受け入れていかなければならない時代、企業の組織もそのことを十分意識して運営していく必要があります。

組織の長として、一緒に働くメンバーが何を求めているのかを聞く姿勢を示し、その実現に向けた行動を取れる様にします。

現在実践していることとして、現場主任クラスのメンバーと週に1回、約20分の対話の時間を取り、「真面目に雑談する」ことをテーマにして試験的に運用を始めました。

これについて、またトピックスがあれば実践アウトプットのコーナーで紹介します。

 

以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。