本は10冊同時に読め!

読書でアウトプット

 

今回は、いつもツイッターでお世話になっているいぬしろうさんから紹介していただいた本です。

 

10冊同時に読め、というのもなかなか強気なタイトルですが、サブタイトルはもっとすごい。

「本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術」

”本を読まない人はサル”とまで言い切るのは、元マイクロソフト日本法人の社長であり書評サイト「HONZ」代表の成毛眞さん。

突き抜けたキャラクターが故に賛否両論のある著者ですが、成毛さんの本書に書かれた次のようなメッセージに多少なりと共感するところがあるとすれば、本書は手に取る価値があるでしょう。

 

本は「人生を楽しむ」知恵の宝庫である!

本とは人生そのものである。

(中略)

読書をすればするほど、人生のあらゆる可能性が広がるのだ。知恵がなければ、何事も上手くいかない。挫折してしまったとき、決断すべきとき、新しい一歩を踏み出したいとき、あらゆる場面で「生きる知恵」を与えてくれるのは本である。

本書あとがきより抜粋

 

読書家としても有名な成毛眞さん、本書では独自の「超並列読書術」について説明をしています。どんな読み方なのか?と考えるまでもなくタイトルで答えが示されていますが、その意味や有用性の説明と共に書かれているので実践に移しやすいと感じました。

また、自分にとって良い本を選ぶための、本の選び方についても具体的に書かれています。これは読書が好きな方もそうでない方も、知っておいて損はないでしょう。

自宅の蔵書はトン単位という成毛眞さんの読書に対しての考えが、見事な成毛節で書かれています。

 

超並列読書術とはどんな読書法か?

一言で言うと、「10冊同時に読み進める」という読み方です。

「超並列」読書術とは、一冊ずつ本を読み通す方法ではない。場所ごとに読む本をかえ、1日の中で何冊もの本に目を通す読書法である。

本書より

 

乱暴な読み方を思われるかもしれませんが、これこそが、いわゆる「乱読」です。

乱読は悪、という考え方もあるようですが、乱読により次ような効用があるといいます。

 

アイデア力の飛躍

本のジャンルやテーマにより、刺激を受ける脳の部位が違う。脳に様々な角度から刺激を与えることを習慣化させることで、脳を活性化し、アイデアを出しやすくする

 

情報の判断力を磨く

情報を能動的に取捨選択して組み合わせながら読んでいくことで、ただ情報を鵜呑みにするのではなく、そこに懐疑的な目を向け、正しい情報を見抜く力が養われる

 

地頭力が上がる

幅広いジャンルの本を同時に読むことで、異なるベクトルの情報が頭の中で組み合わされる。これを習慣化すると、「相手の話していること」と「自分の考えていること」を組み合わせて理解を深め、また、読書から養われる語彙力により相手にわかりやすい言葉を選んでコミュニケーションを取ることができる。豊富な語彙、知識、理解力、コミュニケーション力があれば、それは時頭が良いのと同じである

 

10冊同時に読む、というとビックリする方もいるかもしれませんが、上にあげたことを考えれば、10冊にこだわる必要はなさそうです。

違うジャンルのものを複数、並行して頭に入れていくことで得られるものと言えるでしょう。

 

作者のこと

成毛眞さんのことについて、私自身はあまり先入観を持っていなかったので割とすんなり本書を手にとって読みましたが、読み始めて「あぁ、なるほど」と思うところもありました。

「本を読まない人はサルと同じ」に代表されるような、過激な表現も少なからずあります。

読む中で様々なことを感じましたが、本書について一言だけコメントせよ、と言われたらこう答えます。

 

「美麗字句を並べただけの本ではなく、読書(特に乱読)の効用について、その本質を知ることができる栄養価の高い本」

 

一瞬にして多くの人を敵に回しかねない言い回しも多々あるものの、書かれていることは本質を射抜いていると感じました。

例えば、こんな一節も。

 

「無駄な時間を削ろうとガツガツしている人は、その逆をやった方がいい。一見ムダに思える時間は、自分の血となり肉となる大切な時間なのだ。

本書より

 

これは、干場弓子さんの著書「楽しくなければ仕事じゃない」にも、ほぼ同じ表現で主張されていました。

 

また、次の一節からは本人が持たれやすいイメージをよく分かった上でそのように振舞っていることも伺えます。そして、言っていることは乱読の本質をついています。

 

「私自身は相当批判的な人間ではあるが、本を読むときにはとくに何も考えていない。何も思想や理屈を持たずに、ダーっと読み進めていく。」

本書より

 

これは、「知の巨人」と言われる外山滋比古さんの「乱読のセレンディピティ」の内容とも通づるところがあります。

「描いた人間の顔がチラチラするようでは本当の読書にならない。」

「風のごとく、さわやかに読んでこそ、本は面白い意味をうち明ける。本は風のごとく読むのが良い。」

「乱読のセレンディピティ」より引用

 

人当たりの良さなど一切考慮されていない文章は、人によって嫌悪してしまうのは理解はできるのですが、それで本書を悪書だとしてしまうのは少々もったいない。

ここは、外山滋比古さんの言う「心ある読者:自己責任を持って、自分で価値判断をしながら本を読む人、知的自由人」を気取りながら、理想や理屈を持たずに、風のようにダーッと読んでみてはどうでしょう。

 

有用な知識は学ぶが、見さかいがなくなるようなことを自戒する。著者、作者に対する正当な敬意は当然ながら、とりこになったりすることは避ける。

「乱読のセレンディピティ 著:外山滋比古」より引用

 

また、成毛眞さん自身が、次ように述べているのも面白い。

 

「文章にはこだわるが、内容にはこだわらないので、かなりいいかげんな本であっても批判的にも好意的にも読まない。ニュートラルな状態で読む」

「本に書いてあることは、その著者の1つの意見として受け止めればいい。世の中には色々な考えの人がいる。それを受け止めるのと受け止めないのとでは、大きな違いがある。」

本書より

 

こんなスタンスでフラットな視座で本書と向き合うことができれば、きっと新しい発見をもたらしてくれるはずです。

 

本書からの気づきと行動の変化

本書は、乱読をしている人、したいと思っている人にとって、1つの読書法が具体的な方法や意味とともに説明されているので、行動に移しやすいところがありました。

この本を読んで私の本の読み方も少し変わりました。

以前は、1冊を読み終えてから次の本へと進む、といった読み方をしていましたが、本書を読んだ後は、同時に2−3冊を並行して読むようになりました。

それで読むスピードが上がったかと言うと、それはまだわかりませんが、隙間時間を使ってジャンルの違う色々な本を読むことで脳に良い刺激があるように感じるのと、つまみ読みをするにも適していると感じました。

 

 

読書で人生を楽しむ力を養える、人生がより豊かになる、と感じているのは、本を読む人の共通の気持ちだと思います。成毛眞さんも、そう考えているようです。

もし成毛眞さんに対して何らかの先入観を持っていたとしても、「いつもとは違うことをやってみる」という気持ちで読んでみては如何でしょう。

私のようになんの先入観もない場合も、「こんな過激な表現をする人もいるのか」と思いながらも、読書についての考察を深めるきっかけになると思います。

 

 

以上です。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。