タイトルを見て「話し方」や「伝え方」ということについて書かれている本、というイメージが最初に浮かぶのですが、読み終えてから気がついたのは、この本には人と長期的な信頼関係を作っていくための考え方の本質が書かれている、ということです。
例えばSNSで、質の良い(自分と波長が合い、かつ長期的な信頼関係を築いていける)フォロワーを増やしたいと思ったときに、どういうコンセプトで情報発信すればいいのかについてのヒントが書かれている、と解釈することもできそうです。
「ジェフ・ベゾスから学ぼう!質の良いフォロワーとの信頼関係の作り方」みたいな切り口だったら、どうでしょう。また違う読者層が集まりそうな気もします。
一言アウトプット(本の要約)
「ストーリーを伝える(ストーリーが伝わる)」をテーマにしながら、アマゾンジャパンでの仕組みやルールに基づき「良い伝え方とは何か?」について説明されている本です。
質問1 広報と広告の違いとは何ですか
広告:
お金を支払ってメディアの枠を買い、メディアへの露出度を上げることによって社会での認知度やブランドイメージを高める活動のこと。
集中的に広告宣伝活動をすることで認知度を一気に高めることが可能なため、短期投資肩の特性を持っている。
広報(PR):
社会に対して貢献できる事業活動を行いながら、それを正しく理解してもらうためのコミュニケーション活動を行い、社会から信頼を得る行動。
「信頼を得る」ということが前提になるため、信頼を積み重ねていくための時間が必要になることから長期投資型の特性を持っている。
広報の大きな利点として、メディア及びメディアの向こう側にいるお客様との長期的信頼関係を構築することができることが挙げられる。
質問2 情報のストーリー化とはどういうことですか
ストーリー化とは、「情報を伝えたい人」と「情報を受け取る人」がその情報を共有しやすくするためのパッケージ化されている状態のことをいう。
パッケージ化(ストーリー化)されていることの特徴として、次の内容がある。
1:ある場面が具体的に語られていることで、情報を受け取る人の脳内に情報のイメージ、光景が目に浮かぶ
2:伝えたいポイントが絞られ、シンプルな情報にまとまっている
3:時間の流れ、方向性(一貫性)が見える、または感じられる
4:情報を受け取った側が、次の行動に移しやすくなっている
質問3 伝えるために大切なことは何ですか
次の点を踏まえて、常に相手を起点としたストーリーを考え、相手が受け取りやすい方法で優しくボールをパスするようなつもりで話すこと
- 伝えたい相手は誰なのか?
- 伝えたい相手が、伝わった情報をイメージできる内容になっているか
- どんなタイミングで相手に伝えればよいか
本から得た気付き
相手がイメージしやすい様に話すため、自分自身もしっかりイメージして話すことがポイントと思われる。「ある場面を具体的に語る」とあったが、「ある場面を具体的にして、話したい部分だけを切り取って語る」こと、「相手をその場所に連れていく様な感覚で語る」ためには、まず自分自身が伝えたい内容をしっかりイメージできていないといけない。
自分が伝えたいことが何か、ということよりも、どの様に伝えれば相手に正しく伝わるかを考えてから話さないと、自分起点になってしまい、情報の押し売りの様になってしまう。
余計な情報は載せず、シンプルに、相手が受け取りやすい形で話す様に心がける必要がある。
広報というと「何かを売る」という前提条件に考えてしまいがちだけれど、仕事でもプライベートな人間関係においても、どちらにしても伝える時は相手視点で話す内容を決めてから話す様にした方が良い。
また、人に伝える時にはできるだけ専門用語は入れずに一般的な言葉で誰が聞いても耳に聞き取りやすい言葉を選ぶことも気をつける。
以上です。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
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