ない仕事のつくり方

読書でアウトプット

 

今回紹介する本の著者はみうらじゅんさん。漫画家、イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンと幅広く活躍するみうらさんの仕事の本質とは、「ジャンルとしてまだ成立していないものや、大きな分類はあるけどまだ区分分けされていないようなものを、ひとひねりして新しい名前をつけ、世の中に広めていく」ということ。

これは、まだ世の中にないものを作り、世に広めていくための手法について書かれた本です。

みうらじゅんさんが広めたものとして、1997年の流行語大賞を受賞した「マイブーム」をはじめ、「ゆるキャラ」など様々な新しい造語を生み出して世に広めたその手法について、詳しく紹介されています。

どのような内容か、少し見てみましょう。

 

 

私はなんでもかんでも流行らそうとしているわけではありません。私が「仕掛け」をするのは、本当に好きになったものだけなのです。そして、その「本当に好きで、まだ皆が知らない面白いこと」を世界に届けたい。

 

人に興味を持ってもらうためには、まず自分が「絶対にゆるキャラのブームが来る」と強く思い込まなければなりません。「これだけ面白いものが、流行らないわけがない」と、自分を洗脳していくのです。

 

私の仕事は「一人電通」です。企画を立てるのも自分、集めるのも自分、ネタを考えるのも自分、発表の場所や方法を考えるのも自分、そのために接待をするのも自分なのです。

 

そんなショーを見て果たして観客は喜んでいるのか?と心配になりました。実は私は根が真面目で、人一倍心配性なのです。そんな時、私が必ず唱える呪文があります。

「そこがいいんじゃない!」

 

人はよくわからないものに対して、すぐに「つまらない」と反応しがちです。しかしそれでは「普通」じゃないですか。「ない仕事」を世に送り出すには、「普通」では成立しません。「つまらないかもな」と思ったら「つま・・・」ぐらいのタイミングで、「そこがいいんじゃない!」と全肯定し、「普通」な自分を否定していく。そうすることで、より面白く感じられ、自信が湧いて来るのです。

 

大きなブームへの転換期となるのは、「誤解」され始めた時です。意外と思われるかもしれませんが、それがブームの正体でもあります。

 

ブームというのは、この「勝手に意見を言いだす人」が増えた時に生まれるものなのです。

 

そういう意味で、あらかじめ「ゆるキャラとはこういうものです」という理論づけはしないほうがいいのです。人に誤解されたり、我が物のように言いたくなるような「余白」を残しておかなければなりません。

 

電子辞書が普及したことの弊害に、「隣の文字を調べない」ということがあります。

 

造語が普及するかどうかのポイントは、マイナスから入っているかどうかが大きいような気がします。

 

「友達同士でつけた先生のあだ名」のように、相手に怒られるかもしれないぐらい破壊力のあるネーミングの方が、流行りやすいと感じています。

 

映画館で、鑑賞後のエレベーターあたりですぐに「つまんなかったね」と、一言で片付ける人がいます。それは才能と経験がない人です。映画は、面白いところを自分で見つけるものなのです。

 

どんなに面白いことを考えても、人に知られなければ仕事ではありません。

 

大きなことを成し遂げる時、同じ才能を持ったものがあつまるより、それぞれ得意分野が違うものが集まったほうが、きっとうまくいくことでしょう。異能戦士が横並びで集まる、それが成功の秘訣なのです。

 

「自分探し」をしても、何にもならないのです。そんなことをしている暇があるのなら、徐々に自分のボンノウを消していき、「自分なくし」をするほうが大切です。自分を無くして初めて、何かが見つかるのです。

 

バラけると意味がない。合うとそう見える。それが「ない仕事」の真髄だと、自分でも初めて気がついたのです。そもそも違う目的で作られたものやことを、別の角度から見たり、無関係のものと組み合わせたりして、そこに何か新しいものがあるように見せるという手法。

 

以上、本文より引用

 

 

読んでわかったことは、みうらさんの「ない仕事」を作ることとは、ゼロから1を作り出すことではありませんでした。それは今までもあるのだけれど、その面白さや魅力にあまり人に気づかれていないものに対して、今までとは違う角度から光を当てて面白さが伝わるようにする、それがみうらさん流の「ない仕事」の作り方。

個人的に心に残ったのは

 

私は昔から「またやってる」ではなく「まだやってる」と人に言われるようになりたいと思ってきました。

 

という一節。何気なく書かれていますが、とても大切なことだと思います。

 

また「映画は面白いところを自分で見つけるもの」とありますが、映画に限らず人生全てのことに通じる内容です。京極夏彦さんや干場弓子さん、私が憧れる岩田聡さんも、著書の中で同じことを言われていたことを思い出しました。どんなことだって、面白がろうと思えば面白くなる。面白がってやるんだっていう気持ちが大切ですね。

 

全編通して非常にほのぼのとした感じで書かれていて、読み心地が良いです。また随所に笑いがちりばめられていて、ワハハと笑いながら読める楽しい本でした。

ゆるキャラは果たしてどのように生まれたのか興味がある方、みうらじゅんさんのことはまだよく知らないけどどんな人か関心のある方、新しいものに名前をつけるときの名付け方についてヒントが欲しい方にオススメします。

ぜひ、チェックしてみてください。

 

 

以上です。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。